第40回:ヨハネスブルクからの帰還
ここ半年以上もニンクリ物語の更新がなくいつものように面倒になって逃亡したか、パチンコで勝ち続けてゲーム制作どころでなくなったか、それともハンター竜田の消息を探し回って世界中飛び回っているのか、ついにクルムシ軍曹が重い腰を上げて行方不明のクリムゾン真鍋を探して調査に向かう。

クル:看板があるし、ここがエコール社の藤沢ラボなのは間違いない、こんにちは、クリムゾン真鍋、いますか。
・・・・
クル:何も返事がない、本当に留守なのか、ただの居留守なのか判別しないといけない。そうだ、例の作戦でいこう。
クル:トントントン、宅急便の配達です、ふるさと納税でご注文のお米10キロお持ちしました。お留守ですか、留守なら私がいただきますが。
じぇ:お米ですか、お疲れ様です。そこに置いといてもらえますか。
クル:ああ、あなたはじぇーんさんではありませんか、噂には聞いていましたがお元気そうで何よりです。
じぇ:あれ、お米はどこでしょう、最近お米が去年の3倍くらいの値段になったのでパンばかり食べてます。
クル:残念ですが、宅急便の配達というのは嘘です、そう言わないとクリムゾン真鍋が釣れないかと思って、でも代わりにじぇーんさんが釣れてよかった。で、クリムゾン真鍋はいますか。
じぇ:マスターは、F1中継見ながらぼーっとしてます。角田選手の成績が芳しくないせいか、やる気が全くない感じです。マスター、クルムシさんが来られましたがどうしますか。
のそのそと、起きだして玄関に現れるクリムゾン真鍋。
クル:なんだ、いらっしゃるんですね、クリムゾン真鍋。てっきりゲーム制作に行き詰ってヨハネスブルクに逃亡したのかと思いました。
真鍋:ヨハネスブルクに逃亡したのはチョモランマだ、なんでも去年の10月あたりに、近いうちに鉄緑会のクリスマス模試があって、すごく大事な試験だからしばらく旅にでるといってそれっきりだ。
クル:ええ、それじゃあゲーム制作はどうするんですか、プログラマーがいないと進めないじゃないですか。
真鍋:ゲーム制作においてプログラマーがいなくなることは日常茶飯事、特に珍しいことではない。
クル:とはいっても、プログラマーなしではゲーム制作は続けられないし、またいつものようにこのプロジェクトは頓挫して、ニンクリ物語は今回で最終回ですか。
これまで何回も見てきた光景に、特に驚くこともなく淡々と話を進めるクルムシ軍曹。
真鍋:チョモランマがいない間、私がプログラマーの代行をやることにする。
クル:ええ、そんなの可能なんですか。確かにクリムゾン真鍋がダイナウェア時代にはプログラマーをやっていたという話は聞いたことがありますが、実際何十年も現場から離れていて急にC#とユニティのプログラムができるとは思えません。
真鍋:まあ、そういう考え方もあるが、人間頑張ればなんとかなるもんだ、それに今回作品の骨格部分はチョモランマが作っていったから、これを改造するだけならなんとかなる、プログラムは吾輩のもっとも得意とするジャンルだ。
クル:ナベツネが訴訟を食らったときに言ったセリフのパクリですね。要するにクリムゾン真鍋がプログラムを兼任で作業を進めるということでしょうか。
真鍋:厳密にいうと、兼任ではない、専任だ。プログラムは片手間にできるほど甘いテーマではない。
クル:プログラム専任なら、企画や広報は誰がやるんですか、もしかしてじぇーんがやるとか。
じぇ:私はメイドだから、企画も広報もやりません。主に料理と洗濯と掃除が仕事なので…

クル:ますます訳がわかりません、プロジェクト頓挫ならさっさと宣言してしまったほうがいいのでは。
真鍋:それは困る、結構困る、なぜならゲーマー鹿山とかハンター竜田がこのプロジェクトに関連して異世界に行ってしまった。このプロジェクトが頓挫すると彼らと二度と会えなくなる。それは大変困る。
クル:すっかり忘れてました、僕が見つけてきた大船のカフェで行方不明になったのがゲーマー鹿山、沖縄の灯台で消えたのがハンター竜田でしたね。大船のカフェだと僕も状況次第では異世界に飛ばされることもあっただろうし、気になります、ふたりがどうなったのか。
真鍋:まあ、二人とも極めて要領がいいし、行動力も体力もあるから、たぶん異世界でも頑張っているだろう、もしかしたら異世界の王様とかになって、綺麗なお姉さんたちにかこまれてウホウホ言ってるかもしれないな。
クル:そうかもしれませんが、逆に二人とも鹿とかカバとかにされて、牧場で囲い込まれて、すでにステーキとかになっているかもしれませんね。
真鍋:まあ、たぶん大丈夫だろう、そんな事情で私がプログラマーを専任でやることになったので、ニンクリ物語がこうやって半年以上も停滞することになったわけだ、わかったか。
じぇ:ニンクリ物語については、私がメイドの日常を散文形式で更新しようと提案したのですが却下されました。
真鍋:一応ゲーム制作の流れを皆さんにお伝えするために書いているブログなんで、アイロンのかけ方とかレクチャーされてもみんなが困る。
クル:で、ずっと、この体制で制作を進めるんですか。
真鍋:よいところに気が付いたね、クルムシ軍曹。実は、今回のゲームについて、この半年間徹底的にプログラムをブラッシュアップしてきたのでプログラムの作業はもうそんなに残っていないんだ、そろそろ素材を集めて組み込む段階にきているので、専業プログラマーはこれで終了、これからは兼業プログラマーとして行動する。
ぴろぴろぴーん
じぇ:おや、誰かからメールが届いたみたいです。
真鍋:どれどれ、誰からだろう、おや、これは行方不明のチョモランマからじゃないか、なんだろう。
チョモ:お久しぶりです、お元気ですか、僕は元気です。
真鍋:なんか、定番の頭悪そうなメールの始まりだな、で、続きはと…。
チョモ:で、ヨハネスブルクに行っていたというのは嘘で、本当は自由が丘でこもって勉強していました。ついでに例のものもゲットしました。
真鍋:例のものって何だろう…、文明堂のカステラ三本とかかな。どれどれ、添付ファイルに写真がある。

チョモ:ということで、晴れて柔道部で黒帯をとることができました。凄いだろ。
真鍋:確かに黒帯とは様になるな、柔道やってていつまでも白帯では恥ずかしい限りだ。しかし、黒帯になったらチョモランマの名前どうするんだろう。
チョモ:それから黒帯とったらチョモランマ桐から加納桐太郎に名前を変えるという話ですが、チョモランマ桐の名前、結構気に入っているのでこのまま名前は変えないことにします。
真鍋:そうか、それがいい、せっかく覚えてもらった名前をむやみに変更するのはいかんな。
チョモ:ということで、近いうちに会いに行きます。クリムゾン真鍋が俺の美しいプログラムを汚くしたんじゃないかと心配なので、チェックしないといけません。
真鍋:なんと、生意気な、私のほうが綺麗なプログラムを書いてるぞ。
クル:まあ、せっかくチョモ君がヨハネスブルクから帰ってきたことですし、ここは言いたいことはこらえて大人の対応ということでいきましょう。
じぇ:賛成~です。それはそうと、せっかくだから何か言いたいことがあったんじゃないですか。
真鍋:そういえば忘れていた、エコール恒例のクリムゾン真鍋主催の年に一回のイベントを今年も実施することにした。
じぇ:前回の猿島からもう1年たったんですね。
真鍋:集え、傭兵ども。ニンクリの旗の元に。

真鍋:そうそう、今回は長くて白いもの探索に行く。まずは、東京湾観音を見学する。そのあとは、東京湾フェリーに乗って久里浜経由で大船観音を見学だ。
じぇ:観音ツアーですね、最近は日本中の観音様が老朽化で取り壊しになっているとのことで、無くなる前に早めに行ったほうがいいですよね。
真鍋:ハンター竜田の例もあるし、白くて長いものからジャンプすると、異世界に行ってしまうかもしれない。今回イベント参加の数名が、異世界に行った時のことを考えて、最後の大船での宴会は人数を3人ほど少なめに予約しないといけないな。
それはそうですね、2人くらい異世界に行ってしまうと思います。
そうと決まったら、来週には正式に告知だ、7月5日土曜日、朝10時に木更津のガスト木更津中央店に集合だ。
自分で言い出したイベントの予定が近づいて切羽詰まってニンクリ物語を更新するクリムゾン真鍋。プロジェクトはまともに進んでいるのか、不安は募るばかり。
第39回:いわゆる異世界へ…
偶然、黒豚の子供を手に入れて、辺戸岬に向かう、ハンター竜田とじぇーん、そしてクリムゾン真鍋。大雨の中、辺戸岬に到着する。
竜田:着いたやんけ、辺戸岬。あれ、急にあたりが明るくなって…。雨がやんだみたいだ。

真鍋:先に見えるのは与論島ではないか、さすが沖縄最先端。
竜田:そうやな、あれはまさしく与論島、この海峡が沖縄県と鹿児島県を分離する境と思うと歴史の意味を感じるやんけ。
真鍋:以前は、日本の最南端は与論島、そこからアメリカに統治された沖縄をみるのはどんな気分だったんだろう。

じぇ:分断された歴史の島なんですね、与論島は。
真鍋:大学生の頃、与論島に初めて行って、島に一つしかない信号機というのを見学して、その後サトウキビ畑の間をぬってできた農道を原付バイクで走り回ったものだ。
じぇ:いわゆる、昭和の暴走族ってやつですね。

真鍋:まあ、根本的な思想には共通するものがあるな。圧倒的な開放感とかね。
竜田:雨も上がったことだし、灯台を目指していこう。しかし、この黒豚の檻は重いな。
じぇ:それなら、檻は車に置いといて、この子は私が抱っこしていきます。もう少しでトンカツにされたかもしれないのに、脱走できて良かったね。
真鍋:黒豚の人生なんて儚いものだ、我々も生きている限り命を燃やし尽くさねばならん。
じぇ:この看板の横を通って先に進むと灯台があると書いてます。

竜田:黒豚の檻を持たないと、スムーズに進むやんけ、前に見えるのが辺戸岬の灯台やんけ。

出典:海上保安庁ホームページ
真鍋:では早速、始めようか。八熊伝の指示に従ってハンター竜田は灯台に登っていってくれ、黒豚の子供はじぇーんが連れて行くだろう。灯台の上に到着したら、何も考えずにジャンプだ。白くて長いものから飛び降りると異世界に行けるはずだ。
竜田:それは違うやんけ、異世界に行くのはクリムゾン真鍋やんけ、ワシはまだ蔵の片付けが残っているから、それが終わってから追いかけるやんけ。
真鍋:異世界には、ちょこっと行ってすぐに戻って来れるのか。1時間位で戻ってこれるなら、ホテルのバフェに間に合うから問題ないんだが。

竜田:八熊伝によると、異世界とこちらでは時間の進み方が違うらしい。ということで、戻ってくるのは明日の夜になるやんけ。
真鍋:そりゃ困る、今日はあんまり飯を食っていないし、ホテルのバフェを楽しみにしているのに、明日帰って来るのでは困る。ここは、この大役は竜田さんにお任せする。
竜田:そりゃ困ったな、じぇーんちゃんはどうや、異世界に行くのは楽しいやんけ。
じぇ:ミンダナオ島からきた私にとっては、日本にいる事自体がすでに異世界に行ってるわけで、ここから更に異世界に行くと、元の世界に戻ってしまいます。
竜田:そりゃ困ったな、じゃあ、とりあえず三人で灯台の上に上がって、そこで誰が行くか決めるやんけ。ここはモノポリーで決めるということにするやんけ。
真鍋:モノポリーは私の最も得意なテーマである、いつでも受けて立とう。
風雪の中、辺戸岬の灯台に上がる三人と一匹。
竜田:では、頂上についたから早速モノポリーを始めるやんけ、じぇーんちゃん、まずこの紙幣を配ってくれ。

じぇ:風が強くて紙幣は無理です。ここはペイペイで精算するのはどうですか。
真鍋:それだと、ゲーム賭博になるだろう、現金賭けるのはだめだ。
じぇ:確か日本の法律では、現金を賭けた賭博は駄目だけど、これは電子マネーなので良いのではないでしょうか。
竜田:硬いこと言わんでええやんけ、もともと屁理屈こねるのがクリムゾン真鍋の得意技、屁理屈こねてると夕飯のバフェに遅れるやんけ。
真鍋:そりゃ困るな、じゃあ、ここは現実出来な解決で、ペイペイを使って精算しよう。しかし、ボードを並べる台がないな。
竜田:この黒豚の背中にボードを貼り付けるやんけ、いまはぐっすり眠っているから、少々テーブル代わりに使っても問題ないやんけ。
真鍋:それもそうだ、では早速、ボードを黒豚の背中に固定してカードを配って…。
じぇ:サイコロはどうしますか。ちょうどこの子のご飯用にお茶碗を持ってきていますので、これ使いますか。
真鍋:それはいい考えだ、では早速私がサイコロをふるとして…、チンチロリン。おや、いきなり刑務所行きだな、なんとこれは不幸な。
竜田:次はワシの順番やんけ、チンチロリ~~~ン。いきなりボードウォークが取れたやんけ。
真鍋:なんか、インチキ臭くないか、いきなりボードウォークがでるのはおかしい。
じぇ:つぎは私ですね。と思ったら、急に風が強くなってきて…。ああ、大変、黒豚の子供が起きたみたいですね。
竜田:暴れたら駄目やんけ、ボードがゆらゆらして、ワシのボードウォークからコマがこぼれ落ちてしまう。
突然、空から一匹の黒い影が飛来する。
竜田:駄目だ、クリムゾン真鍋。カラスがワシのカードを全部持っていった。大混乱だ。

じぇ:黒豚といい、突然現れたカラスといい、なんかややこしいですね。マスターはカラスは嫌いですか。
真鍋:実は私はカラスはそんなに嫌いではない、鳩のほうが気持ち悪い感じだ。
竜田:ということで、モノポリーの結果により、異世界に飛び立つのはクリムゾン真鍋に決定やんけ。
真鍋:なんで、そういう結論になるんだ、納得行く説明をしてもらおうか。
竜田:刑務所に入ったのはクリムゾン真鍋だけ、じぇーんちゃんとワシは資産を増やしている。犯罪者のクリムゾン真鍋は、さっさと異世界に行ったほうがいいやんけ。
じぇ:もしかして、異世界は凄く楽しい所かもしれませんよ、竜宮城の話みたいに、美味しいバフェと美女に囲まれた、酒池肉林の世界かも。
真鍋:まあ、確かに私だけが刑務所に入ったわけだから、その話にも一理ある。竜宮城の話も確かにそうだ。ということで、ここは私が異世界に向かうことにしよう。
竜田:それは良い心がけだ、もし異世界が良いところだったら、電報でも送ってくれ、すぐに追いかけるから。
じぇ:では、準備しますね。この黒豚の子供を背中に乗せて…。しっかり固定して。
真鍋:背中は持ちにくいから、頭の上に乗せることにするよ。
その時、三人の後ろから黒い影が忍び寄る。いきなりクリムゾン真鍋の頭に乗せた黒豚を奪っていく。
黒い影:黒豚は確かにもらった、八熊伝に記載されていた、伝説の純血の動物が黒豚とは気が付かなかった。
真鍋:お前は、クロニン田村。突然現れて、異世界への鍵を奪っていくとは、失礼なやつ。
田村:奪われる方が悪いんだよ、さる高名なお方の指令により、純血な動物の剥製をたくさん集めてきたが、どうしても扉が開かなかった。まさか、黒豚とは思わなかった。
じぇ:それは違うんです、たまたま高速道路で轢かれそうになっていたのを助けただけで、その子はそんなんじゃありません。
田村:そんな言い訳が通用すると思うのか、甘いんだよ、てめーらは。
その時、ハンター竜田が、音もなくクロニン田村の後ろに忍び寄る。黒豚を取り返そうと揉み合う、ハンター竜田とクロニン田村。
竜田:お前だな、うちの蔵から八熊伝を持ち去った野郎は。うちの蔵を荒らすやつは許さんやんけ。
田村:ふふ、お前が竜田家、三十七代当主のハンター竜田。お前の蔵からは楽しそうなものをたくさん頂いた。
竜田:他にもものを持ち出していたのか、この犯罪者。
田村:我々忍者にとっては大事なものであっても、オトクしか興味がない竜田家当主にとっては不要なものだ、それらを我々が持ち出して、何が悪い。
その時、背後から巨大な動物が竜田と田村に突進する。激しい音と、鋭い閃光、そして二人の悲鳴とともに、あたりが光りに包まれる。
真鍋:一体何が起きたんだ、それに、ハンター竜田と、クロニン田村の姿が見えない。黒豚の子供も…。
じぇ:マスター、私にははっきり見えました。巨大なカバが二人の背後から突進し、黒豚の子供を咥えたまま、クロニン田村とハンター竜田を弾き飛ばしながらそのまま、灯台から崖の下の海に落下しました。

真鍋:そうだったのか、ハンター竜田、異世界に行ってしまったのか。クロニン田村も一緒に行ったのか。
じぇ:ハンター竜田が言っていた、八熊伝に書かれた予言。白くて長いものの頂上から純血な動物と共に落下すると異世界への扉が開く。この条件が成立したみたいですね。
真鍋:それは災難だな、ハンター竜田は蔵の片付けが中途半端なままで終わって、さぞかし残念だろう。
じぇ:突然現れたカバは、黒豚の子供を襲ったみたいですね。もともとカバは草食なのに、なんで黒豚の子供を襲ったのでしょうか。
真鍋:わからん、すべてが謎だ。
急に風が強くなり、モノポリーのカードが風に舞ってあたりを埋め尽くす。一枚のカードがクリムゾン真鍋の顔に張り付く。
真鍋:なんだ、このカードは…、これは、ボードウォークのカード。いったいこれは何を意味するんだろう。
じぇ:きっと竜田さんがマスターに助けに来てくださいって意味かと思います。
真鍋:むむむ、急にハプニングで私が異世界に行く話はなくなったが、竜田とクロニン田村、そして黒豚の子どもとカバが、異世界にジャンプしたのか…。
じぇ:なにか、よく見るとヒントがあるかもしれません。ボードウォークのカードをよく見てみましょう。
真鍋:よく見れば、カードの端っこに、文字が見えるが、小さ過ぎでよく見えない。
じぇ:見てみますね、どうやら、カルボニアに向かう…って書いてます。何なんでしょうか、このカルボニアと言うのは。
真鍋:異世界の名前がカルボニアということなのか…、それにしてもどんな場所なんだろう、カルボナーラならわかるが、カルボニアと言うのは聞いたことがない。
私も聞いたことがありません。もうすぐバフェの時間が終わりますね、戻るなら今すぐですが…
そうだな、戻ってバフェでも食いながら、ハンター竜田の思い出でも語ることにするか。
予定外のハプニングで、自分が異世界にいくことを回避できて、地味に喜ぶクリムゾン真鍋。果たして、クリムゾン真鍋はハンター竜田を救出に向かうのか、それとも無慈悲に竜田を見捨てるのか。
第38回:純粋な血統の動物はどこに。
大雨の中を、軽トラではない軽自動車で辺戸岬に向かうハンター竜田とクリムゾン真鍋、それにじぇーんの三人。軽自動車の天井には土佐犬を入れる籠が載っている。
竜田:では出発するやんけ、その前に純粋な血をもった動物を捕獲しに行くやんけ、どこにいけば純粋な血をもった動物がいるのかクリムゾン真鍋が調べるやんけ。
真鍋:ええ、そういう話なのか、急に言われても困るな。沖縄の固有種というとヤンバルクイナとかだろう。とりあえずヤンバルクイナ保護センターに行ってみるか。
じぇ:私、ヤンバルクイナ見るの初めてです、凄く楽しみ~。
真鍋:クロニン田村の黒い野望が見え始めているのに、じぇーんはお気楽でいいな。
竜田:さっそく「ヤンバルクイナ生体展示学習施設、クイナの森」に到着したやんけ、さっそく中に入って見るやんけ。

真鍋:おお、いたいた、なかなか可愛い鳥じゃないか、あちらの枝の影からこちらをうかがってる子がいるな、こっちにくるぞ、気をつけろぉ。
竜田:ヤンバルクイナはおとなしい鳥だから、気をつけなくていいやんけ。
じぇ:なんか、鳥なのにニコニコしてますよ、ヤンバルクイナって愛想がいい鳥なんですね。

真鍋:鳥は爬虫類の進化型だから、笑わないだろ、そもそもニコニコしているというのは気のせいだよ、じぇーんくん。
じぇ:私には笑ってくれたような気がします。相手を見てるんじゃないですか。
真鍋:私は鳥が嫌いだ、昔からニワトリとか、セキセイインコとか、カナリアとか、いろんな鳥類を飼ってきたが、最後に気がついたのは、私は鳥が嫌いだ…、って事実だけだった。
じぇ:なんだか悲しい子供時代だったんですね、マスター。
真鍋:いまでも動物より、機械に愛情を感じる傾向がある。カナリアより、スウェージロックみているほうが、心が休まる。

竜田:スウェージロックみて萌えとは、ただの変態やんけ。なんでそんなにひねくれてしまったんだ、クリムゾン真鍋は。
真鍋:そりゃ、大学時代に原子動力実験棟で、高速増殖炉用の液体リチウムループの研究をしていたとき、厳密に言うと研究室の同僚が液体リチウムループの研究をしていたのを見ていたときに、スウェージロックの締め方一つで、大事故になるという現場を見てきたからな。トルクレンチを使って締めても、微妙なさじ加減で漏れたりする。
じぇ:そんなに微妙なものなんですね、リチウムは。

真鍋:締めすぎても、締めなさすぎてもだめ。ちょうどよい締め方を指先の感覚で覚えることが大事。
竜田:ワイは計算機センターにいたからよくわからんが、厳しいノウハウがあるんやな。
真鍋:メタルタッチで接触する、微妙な部分に髪の毛程度の傷があるだけで、リチウムが漏れる原因になる。リチウムは漏れると厄介だ、床のコンクリートに落ちると、コンクリートを溶かして水素を出して反応するから、そこで火災が起きる。とにかく、液体金属には気をつけろよ、って話。
じぇ:マスターって大学時代から結構ややこしい経験してたんですね。
真鍋:経験していた人を見ていただけだ、私自体は面倒なことは嫌いだ。
じぇ:なんとなくわかります。それで、動物の心が解らない、悲しい大人になってしまったんですね、可哀想なマスター。
真鍋:まあいいよ、その話は。で、さっそくだが、さっさとヤンバルクイナを1匹もらって帰って籠に入れて辺戸岬に向かおう。
じぇ:だめですよ、マスター。ヤンバルクイナは保護動物の中でも最上級に入る国の天然記念物。そんなに簡単に連れて帰れないですよ。
真鍋:なんだ、それなら最初からそう言ってくれ。リチウムの話とかする必要はないだろ、ぶつぶつ。
竜田:わざわざ保護センターがあるくらいだから、最初から無理やんけ。それより、ヤンバルクイナがうずらみたいな感じなのはわかったから、沖縄固有のうずらを探して持っていけばいいんじゃないか。

じぇ:うずらなら、私の故郷、ミンダナオ島でもたくさん飼っていました、うずらの卵を手に入れるのに。
真鍋:じゃあ、沖縄固有のうずらを探そう、たぶんうずらなら天然記念物ではないから、そこあたりのペットショップで買えるんじゃないか。
竜田:ちゃうちゃう、ちゃうやんけ。うずらは愛知県が繁殖の中心。沖縄固有種のうずらというのは簡単に手に入らないやんけ。
じぇ:ミンダナオ島から持ってきましょうか。沖縄からミンダナオ島は結構近いです。
真鍋:なんか、収拾がつかなくなってきたな、さあ。どうしたものか。面倒だし、八熊伝のことは忘れて、沖縄でリゾートライフを楽しんで帰るっているのはどうだ。
竜田:それはだめやんけ。八熊伝がうちの蔵にあることをクロニン軍団に知られてしまったし、このままクロニン軍団がスルーしてくれるとは思えん。とにかく異世界への扉を開くところまではやるやんけ。
じぇ:私も竜田さんに賛成です、諦めないで行きましょう。
真鍋:しかし、純粋な血を持った動物をどうやって手に入れるんだ。沖縄は固有種の宝庫、天然記念物とかに手を出すと面倒なことになるから嫌だ。
じぇ:そういえば、去年石垣島でクロニン田村を見かけたときに、動物の剥製を運んでましたよね、あれが異世界への扉と関係あるんじゃないでしょうか。
竜田:八熊伝には、生きた動物を連れて行かないと駄目だと書いているやんけ。クロニン田村は異世界へ向かうための実験のために集めていたんだろうな。
真鍋:ということは、クロニンはまだ異世界にいく方法を知らないということになるが。
竜田:そこは微妙なところだ、それより、われわれの動物集め、どうするやんけ。このままぼーっとしながら軽自動車を走らせていても展開がないやんけ。
その時、「ガガガン」と車の近くから音がする。
竜田:今なんか、床の方から音がしたやんけ。
じぇ:車停めてください、私が見てきます。
竜田:なんかに衝突したみたいやんけ。
異音の正体を確かめるために車を降りて足早に戻っていくじぇーん。
真鍋:おお、じぇーんが帰ってきた。
じぇ:どうやら、この子と衝突したみたいです。

竜田:なんや、黒豚の子豚やんけ。沖縄名産の黒豚。この近くの農場から迷子になってたのかな。
じぇ:あたりどころが良かったのか、特に大きな怪我はしてないみたいです、良かったですね。こんな可愛い子を轢き殺さなくて。
竜田:まったくそうやんけ。
真鍋:せっかくだから、この子を沖縄における純粋な血をもった生き物として同行させるというのはどうだ。
竜田:それもそうだな、この感じは琉球黒豚の子供。ある意味純粋な血を持った生き物と言えないこともないやんけ。
もとが家畜というのが多少気になるが、まあいいことにしよう。
家畜でも可愛いからいいでしょう、賛成です~。
真鍋:ということで、辺戸岬に向かおう。雨がもっとひどくなる前に。

適当な家畜の黒豚を手に入れて、辺戸岬に向かう三人。雨脚が強くなる中、八熊伝の伝説の通り、異世界への扉は本当に開くのか。次回をお楽しみに。
第37回:沖縄の雨は憂鬱だ。
今日はハンター竜田と沖縄で待ち合わせの日、F-LABO周辺はすっきりと晴れ上がり気持ちのいい一日。じぇーんとともに意気揚々と沖縄に向かうクリムゾン真鍋。
真鍋:着いた着いた那覇空港。あれ、羽田空港はスッキリ晴れてたのに那覇空港は大雨で10m先も見えないぞ、一体どうなってるんだろ。
じぇ:おかしいですね、横須賀のイベントは晴れていたのに、それ以降逆パターンですね。マスターの命運が尽きたんでしょうか。
真鍋:最近、運勢の上がり下がりが激しいから、そろそろ裏パターンに入ってもおかしくないな。異世界に飛ばされる前兆かもしれないから気をつけよう。しかし、この雨はひどい。
じぇ:わたしの故郷、ミンダナオ島ではこれくらいの雨は毎日降ります。多分大丈夫ですよ。
真鍋:去年の石垣島では、軽トラを借りることになって結構困ったが、今回の沖縄は屋根がある車だから大雨でも大丈夫。
じぇ:ガッツレンタカーって書いてますね、看板には有名ボクサーのガッツ石松さんの写真が…。あれ、写真がないですね。

真鍋:ガッツさんの写真はなくてもいいことにしよう。今回は1週間沖縄にいるから、1週間車借りて1万円かからないガッツレンタカーは神のような存在だ。
じぇ:なかなかカッコいい車ですね。これなら、ハンター竜田さんも喜ぶでしょう。ということで、そろそろ竜田さんが那覇空港に到着する頃、竜田さんを迎えに行きましょう。

じぇ:あそこに見えるのは竜田さんですね、なにか大きな荷物を持っているみたいですが、なんでしょう、あの荷物は。
竜田:那覇空港についたやんけ、ナハナハ。大雨で前が見えないやんけ、那覇空港は人だらけやんけ、ナハナハ。
じぇ:ナハナハってなんですか。
真鍋;それは、昭和のギャグだと思う。昔、せんだみつおというタレントがいて、最後にナハナハって言ってたから、竜田さんはそれを思い出してナハナハ言ってるだけだと思う。
じぇ:要するに、那覇に着いて嬉しいってことでしょうか。
竜田:沖縄は楽しそうなところやんけ、ナハナハ。早速ステーキとルートビア食べに行くやんけ、ナハナハ。
真鍋:で、その大きな荷物は一体なんだ、さてはハンター竜田はサウナが大好きだから携帯型サウナ機でも持ってきたのか。
竜田:サウナはホテルにあるから持ってきてないやんけ、これは八熊伝の予言にでていたものやんけ、動物用の檻やんけ、予言の実現に役に立つはずだ。これでイノシシとかを捕まえて運ぶににな。

真鍋:巨大な檻が予定外だな、そんな巨大な手荷物があるなら、トヨタレンタカーでアルファードでも借りればよかった。
竜田:もう手遅れや。
真鍋:では、軽自動車に3人と檻は厳しいから、じぇーんは先にシャトルバスでホテルに行って今夜のパーティの準備をしておいてね。私は竜田さんとルートビア飲んでから行きます。
じぇ:イエッサー。出発前に、私もルートビア飲んでから行っていいですか。
真鍋:もちろん、大丈夫だ。じゃあ、那覇空港でルートビアを飲んで、さらにアメリカンビレッジでもルートビアを飲もう。

じぇ:きゃ、美味しい~。
ということで、じぇーんを先にホテルに行かせて、荷物で満杯になった軽自動車で竜田と込み入った話をするクリムゾン真鍋。
竜田:じぇーんちゃんもいなくなったし、八熊伝の話をするやんけ。それが沖縄に来た理由でもあるやんけ。
真鍋:そうだ、クロニン田村の野望を解く手がかりがあるかもしれん。で、八熊伝にはなんて書いてあった。
竜田:どうやら日本には、古来から隠された八つの島があり、その島が別々の熊のような首長によって統治されながら、島全体の調和を図っていたらしい。
真鍋:ほほう、それは興味深いな。
竜田:その島を移動するのは禁止されていて、相互にその島の存在を知らないまま歴史は進んできたんだが、あるとき遠くの国から黒船がきて、そこで歴史が転換したやんけ。
真鍋:浦賀にペリーが来たあたりだな。
竜田:その島は、ワシらがいるこの世界とは別の世界なんだが、ワシらも特定の行動をすればその島に行くことができるやんけ、その方法を書いているのが八熊伝やんけ。
真鍋:そうか、じゃあクロニン田村も、今のこの国に秩序を維持してきた八つの島にいくことができたというわけか。
竜田:クロニンはどうやらその一つの島を制圧して、なにか良からぬことを企んでいるらしい。だから、ワシらもその島にいってクロニンの動向を探らねばならん。
真鍋:なかなか面倒な話になってきたな。私は面倒なことは嫌いだ。日本を転々としながら美味いカレーとか食いながらのんびりゲームでも作りたいんだが…。
竜田:どうやら、そうもいかんらしい、というのもその別の世界の騒動は、クリムゾン真鍋がデスクリムゾンを作ったことと密接に関係があるやんけ。
真鍋:なんで、唐突にデスクリムゾンが出てくるんだ…、あれはただのクソゲー、歴史に影響を与えるものではないぞ。
竜田:クリムゾン真鍋がデスクリムゾンを作ったから、歴史の転換点が来たわけではないやんけ、事実はその逆で、歴史の転換点を迎えたから、そのダークエネルギーが一部放出され、その先にデスクリムゾンがあったやんけ。要するにクリムゾン真鍋は歴史に翻弄されているだけの可哀想な存在やんけ。
真鍋:むむむ、それにそんな意味があるとは…。
竜田:八熊伝には、別の世界への行くための条件が3つ書かれている。1つ目は、その土地に根ざす純粋な血をもった生き物を同行させること。2つ目は白くて高くて大きいものの下に行くこと。3つ目はそこで大きな風が吹き荒れること。そうすれば、純粋な血をもった生き物とともに、大きな風に運ばれ別の世界に行くことができるらしい。
真鍋:それぞれ、よくわからない条件だが、今日の激しい雨は3つ目の条件を満たす可能性があるな。
竜田:そうそう、今日大雨なのは歴史の必然を感じるやんけ。そして、1つ目の条件を満たすために、このペット籠を持ってきたやんけ。これで沖縄の純粋な血をもつ黒豚とかを捕獲してもっていくやんけ。
真鍋:そうか、それでハンター竜田が大きな荷物をもっていた理由がわかった。
竜田:これはワシの本家の蔵に代々眠る、土佐犬を闘犬場に運ぶための籠だ。少々のことでは壊れないやんけ。
真鍋:しかし、中に黒豚を入れると軽自動車に乗せるのは無理っぽいが、どうする。
竜田:屋根の上に縛っておけばいいやんけ。
真鍋:それなら、去年借りたような軽トラのほうが良かったんじゃないのか。

竜田:それは言わない約束じゃないか、おとっつぁん、もう手遅れやんけ。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
ということで西海岸のオクマプライベートリゾートホテルに到着。相変わらずの大雨が降っている。
真鍋:なかなか良いホテルじゃないか、以前に前を通った気がするんだが、なんか名前が違う。
竜田:よくわかったな、ここは昔、JALプライベートリゾートオクマという名前だったやんけ。
真鍋:昔も結構高級ホテルだったが、いまも高級ホテルの風格があるな、でもオトクハンターからしたら対象外の場所じゃないのか。
竜田:ここは楽天スーパーポイントともろもろの割引で、今なら7割引きで泊まれる、お得達成率70%やんけ。
真鍋:そりゃすごいな。

真鍋:じゃあ、さっそくプールで泳ぐとするか、海とプールが一体化して素晴らしい。
竜田:残念ながら大雨で遊泳禁止やんけ。ここは、沖縄らしい店で昼飯をくおう。檻を降ろせばじぇーんちゃんも乗れるだろ。それとも、クリムゾン真鍋が檻の中に乗れば、そのままでも大丈夫やんけ。
真鍋:それはお断りする。
じぇ:嬉しいです、沖縄らしいものってなんでしょう、豚足とかソーキそばとかかな。
真鍋:どこか心当たりがあるのか。
竜田:ワイに任せとくやんけ、事前に調査済だ、ということで、ちむどんどんで有名なこの店に行く。じぇーんちゃんが乗れるように檻を降ろしとくやんけ。
真鍋:ニーニーとかが詐欺にあったり、投資やりたいと喚いたりする、NHKの連続小説だな。
竜田:お陰で沖縄の食堂が有名になったわけだ、ということで、出発。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

笑味の店で、うまい沖縄料理を食って満足するクリムゾン真鍋とハンター竜田。

竜田:まだ大雨だが、次はどこに行く。
真鍋:辺戸岬の灯台にいこう。辺戸岬の向かい側はすぐに与論島。昔、サトウキビ畑の中を原付きで走り回ってめちゃくちゃ楽しかった。思い出に浸るとしよう。
竜田:しかし、どうもクリムゾン真鍋と旅行すると、島の北端の灯台にいくことが多いやんけ、去年の石垣島でもそうだったやんけ、なんか歴史的な意味があるのか気になるやんけ。
真鍋:なにも、理由はない。暇だから行ってるだけだ。
竜田:それならばいいが、なんか嫌な予感がするやんけ。八熊伝の予言に少しずつ近づいていってる気がする。
美味しいものが食べれて幸せです~。
まあ、いいことにしよう、所詮デスクリムゾンの話だし、歴史的な意味とか考えないで気楽に行こう。
八熊伝の予言の実現が近いのに大雨の沖縄観光を続けるクリムゾン真鍋、ハンター竜田、そしてじぇーん。異世界への扉はいつ開くのか、次回をお楽しみに。
第36回:横須賀・猿島の秘密とは。
猿島でのイベント、TNC2024を一週間後に控え準備に余念がないクリムゾン真鍋。天候に左右される離島でのイベントはどうなるのか。ディンガ猫又と二人で無事にイベントを回せるのか、不安は尽きない。
じぇ:おはようございます、マスター。先ほど佐川急便から荷物が届きましたが開けますか。
真鍋:ああ、中身については思い当たる節がある、そろそろ届く頃だと思っていたところだ。
じぇ:では開けます…、これはいったい何なのでしょうか。

真鍋:これは、来週の猿島イベントに向けて作った旗だ。団体旅行には先頭でコンダクターの人が旗を持って案内しないと迷子になるからな。
じぇ:そうなんですね。お登りさん旅行みたいで格好いいですね、ふふ。
真鍋:待ち合わせの時にも旗があると便利だ。傭兵どもよ、このニンジャクリムゾンの旗の下に集え!って感じだ。
じぇ:バーガーキングだと、いろんな人がいるから旗があると迷わなくて安心しますね。
真鍋:そうそう、今回は一見さんも参加しやすい設定のイベントだから、誰が来てもわかるように目印が重要なんだ。
じぇ:どうして旗は二枚あるんですか。しかも黒いのと白いのが。
真鍋:これはね、原則バーガーキングの店の中で集合なんだが、なかにはビーガンとかで肉が食べない人がいるかもしれん。そんな人をわざわざ肉の匂いが充満したバーガーキングの店内に入ってもらうのも気が引ける。そんな場合は店の前で集合にするんだ。その時の目印が二枚目の旗の使い道ね。
じえ:なかなか細かな準備が必要なんですね、イベントは。で、旗は誰が持って待つんですか。
真鍋:外で待つのは猫又くんに頼むつもりだ。じぇーんは店内担当、私が店内という店外を行ったり来たりしながら様子を見る担当だ。
じぇ:念のため、TNC2024の概要、もう一度貼っておきますね。
■開催日:2024年6月1日土曜日
■集合:朝10時に京急横須賀中央駅のバーガーキング
■住所:〒238-0007 神奈川県横須賀市若松町1丁目1
※店内で待ち合わせ、店の前で待ち合わせ、いずれもOK。
■目印:ニンジャクリムゾンの旗。
■行動予定:集合:10時頃 横須賀中央駅→猿島→どぶ板通り散策→駅前で宴会 解散:17時頃。
■参加費:行く先々で必要な猿島への船代、海軍カレー代など各自実費負担、宴会代は割り勘。
■テーマ:西の聖地友ヶ島に加えて、猿島を東の聖地にすること。
■やること:猿島で動画素材を撮影。ドブ板通りで海軍カレーを食べる。
■参加表明:当日集合場所にくれば参加OK。Xにて当日の行動は実況します。Xへのリツイートで参加表明してくれるとなお確実。
■予想参加人数:15人くらい。初心者の方も歓迎デス。
■途中参加、途中離団OK、現在の位置はツイッターで随時書き込みます。ツイッターのフォローよろしく。
https://twitter.com/ecolemanabe

真鍋:天気が良いといいな。
じぇ:いいですね…。
ぴろぴろぴろ
じぇ:電話ですね、誰からでしょうか。
真鍋:どうやらこの名前はハンター竜田だな。そういえば八熊伝の内容を聞きに行くと言いながら、もう半年以上経過してる、さすがに怒ってるかもしれない…。ということで、もしもし、久しぶりやんけ、なにしとったんやワレ、
竜田:それはこっちのセリフやんけ。来週横須賀でイベントやると聞いたやんけ、せっかくだからワイも猿島に行ってモンキーハンティングでもやろうと思ってたが、あいにく来週は中国に仕事にいっているやんけ。
じぇ:竜田さんは、あちこちに行ってるんですね、今度は中国ですか。なにかオトクな話でも見つけましたか。
真鍋:中国にはきっとなにかオトクがあるはずだ、近いうちに話を聞きに聞かねばならんな。
竜田:で、急ぎで連絡したのは、猿島と八熊伝の関係について、事前に教えといてやろうと思って電話したやんけ。
真鍋:ほほう、どんな話だろ。猿島には猿がたくさんいるから、おにぎり持っていって猿に襲われないように気をつけろって話かな。
竜田:いや、違うな。八熊伝に書かれている内容、それはこの世界とは別の異世界があって、そこは8つの島からできていて、それぞれ別の動物が支配している。その中で頂点は熊がいる島ってことやんけ。
真鍋:なんか、急に話が進行してきたな。要するに熊が一番偉いって話だな。

竜田:熊が一番偉いというのは当然として、別の世界への入口、そのヒントが八熊伝には書いてある。相当な量がある八熊伝を細かく読みこなすとこんな記述があったやんけ。一つは高速で移動する2つの車輪を持った馬のようなもの。2つ目は守備を固めた陣地にある扉。
真鍋:なんか、不思議な感じになってきたな。高速で移動する2つの車輪は、ゲーマー鹿山が急に消えたハングオンの筐体かもしれない。そうなると、ゲーマー鹿山は別の世界への移動方法を見つけたことになるな。やはり、大船観音さまの威光なんだろうか。

竜田:なんでも、別の世界への入口には、人型の物体が置かれているそうだ。そうなると大船観音は人型の物体なわけだから、それに該当してもおかしくないやんけ。
真鍋:そうか、いくつか入口があるわけだな。そういえば、去年行った石垣島の灯台は関係ないのか。クロニン田村があそこで消えたのもなにか関係があるかもしれないのだが。
竜田:石垣島については、八熊伝でも、なにも触れられていない。ついでに言っとくと、大塚のカレーショップも別の世界への入口とは関係ないやんけ。
真鍋:それは一安心だな、私は特に別の世界に行きたいとは思っていない。今のこの世界で十分満足しているからな。
竜田:それがそうもいかない状況になってきたやんけ。1週間後にクリムゾン真鍋が行く予定の猿島、これも別の世界への入口に繋がっていると八熊伝に書いているやんけ。友ヶ島と同じく、特別な宇宙の意志が働いていると考えられるやんけ。
真鍋:それはまずいな、猿島に行ってそのままこちらに帰ってこれない可能性もあるのか。それなら、こちらの世界でやっておかないといけないことがある。たとえば磯丸水産の株主優待券が今月末で切れるから、あと3000円分使い切らないといけないとか。

竜田:まあ、そんな些細な話は自分で考えてくれ…。それよりくれぐれも猿島で海のモズクにならないように気をつけるやんけ。
真鍋:海のモズクじゃなく藻屑だろ。

竜田:ワイはモズクが好きなんや。それにワイが住んでる場所からは中百舌鳥が近い。中百舌鳥とモズク、語感がにてるからええやんけ。そういうことだ。
真鍋:教えてくれてありがとう。
いつものことながら慌ただしく電話で話をして、そして急にいなくなるハンター竜田。
じぇ:なんか、難しそうな話が連続して続いて疲れますね。しばらくお昼寝してきます。
真鍋:ええご身分じゃのぅ、昼寝とは。
ぴろぴろぴろ
真鍋:あれ、また電話だ。それもハンター竜田からだ、で一体何の用事だ。
竜田:さっき言い忘れていたが、6月2週目に沖縄でいいホテルが取れたやんけ。クリムゾン真鍋の分も取っておいたから、そこで八熊伝の内容についていろいろ説明するやんけ。
真鍋:沖縄…。そりゃいいな。ぜひ行かせてもらうよ。私は誘われた誘いは原則断らないことをモットーとしておる。沖縄でサムズのステーキをバカ食いしよう。

竜田:サムズのステーキは楽しみやんけ。今回は軽トラじゃなくまともな車借りるやんけ。
真鍋:わかった。予定しておく。
6月の沖縄はいいですね、私もお供します。
そうだな、新たな手がかりを求めて沖縄に行こう。やっぱりステーキも食べないと。
ということで、来週の猿島、その翌週は沖縄と、意図せず予定がどんどん決まっていくクリムゾン真鍋。出たがりの性格からして、予定が続くのはきっと大喜びのはず。猿島でクリムゾン真鍋とディンガ猫又は、別の世界への扉を見つけることができるのか。旅するニンジャクリムゾン2024 in 横須賀(TNC2024)は近日動画で公開予定、お楽しみに。
第35回:新たな聖地への道。
藤沢開発室、通称F-LABOで開発に勤しむクリムゾン真鍋、チョモランマ桐、そして新メンバーのディンガ猫又。GWの集中開発期間の進行が思いの他良くご機嫌なクリムゾン真鍋。そんなときにある人から連絡が。
チリチリチリ、ピポピポピポ
じぇ:マスター、メールが来てます。エコール老人会の方からですね。
真鍋:おお、エコール老人会というと、ERを開催しているデスクリムゾンのファン、つまりクリムゾナーの人たちだな。
じぇ:もう長い間、クリムゾナーをやってられるのですか、その人達は。
真鍋:そうだな、2000年頃には推定10万人くらいいたと思うクリムゾナーだが、その後、徐々に高齢化がすすんできて、それまで大学生だった人たちも今では50歳前後、月日が立つのは早いね。
じぇ:そうですね、デスクリムゾンが発売されてからもうすぐ30年、二十歳の人が50才になるのも計算が合いますね。
真鍋:いまから思えば、ギズモのブランドからコックスバックスをリリースしたのが一つの大きな転機になったと思う。なかなか良い出来栄えで私は気に入っているんだが、COX-BAXを発売したことで、クリムゾナーの数が半分になった気がする。

じぇ:ハッテン場探索ゲームって、ぶっ飛びすぎて引きますよね、ふつーの人は。
真鍋:その自由度が、エコールをエコール足らしめている部分ではあるがね。
じぇ:クリムゾナーの人は、コンバット越前を巡ってダニーとグレッグが恋愛感情を炸裂させて三角関係で悩むみたいたのを期待していたのですか。
真鍋:今となってはみんながどんな期待をしていたのか謎だが、たぶん越前康介とダニーの恋愛ものは期待されてなかったと思う。
じぇ:少しだけコックスバックスプレイしましたが、主役のゲンジがストリートミュージシャンとして放浪しながら成長するという話はどうやって考えたんですか。
真鍋:ストーリー自体はゲイで作家をやっている人に数人連絡をとって書いてもらったけど、日本を放浪しながら旅をするというのは、私の経験がベースに生きている。
じぇ:マスターは、ゲイなのですか、それは初耳ですが。
真鍋:残念ながら私自体はゲイではない、いわゆるノンケだ。大学院時代に自分探しのたびに出るため2ヶ月間大学院を休んでヨーロッパを放浪したことがある。ロンドンから南ヨーロッパ、ギリシャまで、2ヶ月かけてゆっくりとバックパッカーとして放浪の旅にでた。その後のエコールの変遷をみると、その時の旅が原点になっている気がする。
じぇ:事務所も数年ごとに変わり、自宅も3年毎に引っ越しするという、アレですね。
真鍋:そうね、同じ場所に長く滞在せず、いつも変化し続けることで新たな表現の技法を探していく、作品自体が私の人生、このような流れを作ったのが2ヶ月間のヨーロッパ放浪旅行だったね。
じぇ:マスターはその旅行以来、ずっと旅しているんですね、今も…。
真鍋:そんな感じだ。人格の核心に触れる話をしたから、少し疲れた。いつものココ茶をくれないか。
じぇ:イエッサー。はい、どうぞ…
真鍋:ずずず、お茶が美味い。
じぇ:だいぶマスターはお疲れですよね。
真鍋:疲れているが、単にそれだけだ。開発室の引っ越しを1週間かけてやったからそれが多少ダメージになっているだけだ。それに先週は周防パトラちゃんが、我がエコールを訪問してくれたのでかなり元気になった。

じぇ:ちょうど私がココ茶の新茶がでたから静岡に調達に行っているときですね。パトラちゃんてどんな人でした。
真鍋:パトラちゃんはVtuberだから、実態は存在しないんだ。一種の幽体みたいな存在、いわゆるドッペルゲンガーだね。人間の形はしていたがそれはあくまで仮りそめの姿。
じぇ:なかの人に興味がありますが…。
真鍋:だめだめ、Vtuberの中の人については話するのは、獣神サンダー・ライガーの中の人が山田恵一っていうくらい野暮なことだ。ただ、パトラちゃんの中の人が素晴らしく素敵な人だったことは間違いないな。
じぇ:で、パトラちゃんはいったいなんの用事でクリムゾン真鍋に会いに来たのですか。デスクリムゾンのプレイ動画をアップしているからクリアするのに苦労して、その苦情を言いに来たとか。
真鍋:それも外れている。ただ、パトラちゃんがエコールに来てくれたこと、2時間に渡って私と楽しく話をしたことは事実だ。それ以上のことは私から言うわけにはいかない、いまはそれだけだ。
じぇ:わかりました、それはそうとマスター、エコール老人会の方からの連絡の件、忘れていませんか。
真鍋:そうだった、コンバット老人からのメールの件だね。どれどれ、読んでみると…。
老人:去年の秋に開催したエコール老人会、ER2023のときに決まった、2024年のGWあたりに猿島にいくという話はその後どうなりましたか…。

真鍋:そうだそうだ、そろそろ去年約束した2024年のイベントの時期だった。大船や大塚への放浪の旅と、F-LABO開設のゴタゴタで時間の感覚がなくなっていたが、もうGWに突入している。
じぇ:だめじゃないですか、いつもの納期遅れですね。
真鍋:私は、GW頃にイベントを開催すると言ったが、GWに開催すると言った覚えはない。元大阪知事の、横山ノック氏が議会で追求されて発した迷台詞、「私は庶民派と言った覚えはあるが、庶民と言ったことはない」これと同じ流れだな。
じぇ:横山ノックさんて、たしかセクハラで糾弾されて知事を辞めた人ですね。その人とマスターは同じ芸風なんですか…。
真鍋:いちいち説明するのになんか疲れた、ココ茶をもう一杯くれないか。
じぇ:イエッサー。
真鍋:GW頃のイベントについては、コンバット老人との間で重力場を利用した特殊通信回路を使ってすでに相談済だ。いわゆる以心伝心という技法だね。
じぇ:さすがコンバット老人さん。変人代表であるクリムゾン真鍋のファンを30年近くやるだけの人は違いますね。
真鍋:そうだね、コンバット老人はドリームキャスト版デスクリムゾン2を10セット買ってくれたからな、ありがたいことだ。
じぇ:マスターはいろんな人に支えられて、ゲーム業界で居場所があるんですね。
真鍋:そうそう、30年も業界にいられたのはファンのおかげだ、そのためにも、今回の猿島ツアーは成功させねばならん。イベント名は「旅するニンジャクリムゾン2024」にしよう。TNC2024でどうだ。
じぇ:TGS、東京ゲームショウみたいでいいですね。
真鍋:コロナで縮小されていたTGSもまた元の規模に戻ったし、その流れに乗ったイベントとして、TNC2024というのはなかなか良いな。
じぇ:ニンジャクリムゾンの旗も作りましょう。待ち合わせには旗が必要ですよね。

真鍋:そうだそうだ、団体旅行だもんな。
じぇ:うまく、繋がりましたね。ということで、TNC2024の概要発表しましょう。
■開催日:2024年6月1日土曜日
■集合:朝10時に京急横須賀中央駅のバーガーキング
■住所:〒238-0007 神奈川県横須賀市若松町1丁目1
※店内で待ち合わせ、店の前で待ち合わせ、いずれもOK。
■目印:ニンジャクリムゾンの旗。
■行動予定:集合:10時頃 横須賀中央駅→猿島→どぶ板通り散策→駅前で宴会 解散:17時頃。
■参加費:行く先々で必要な猿島への船代、海軍カレー代など各自実費負担、宴会代は割り勘。
■テーマ:西の聖地友ヶ島に加えて、猿島を東の聖地にすること。
■やること:猿島で動画素材を撮影。ドブ板通りで海軍カレーを食べる。
■参加表明:当日集合場所にくれば参加OK。Xにて当日の行動は実況します。Xへのリツイートで参加表明してくれるとなお確実。
■予想参加人数:15人くらい。初心者の方も歓迎デス。
■途中参加、途中離団OK、現在の位置はツイッターで随時書き込みます。ツイッターのフォローよろしく。
https://twitter.com/ecolemanabe
真鍋:集合場所は横須賀中央のバーガーキングにしよう、店の中でも店の前でもOKということで。

じぇ:最近マスターはバーガーキング好きですね。マスターは昔マクドナルドでバイトしていたのに…いいんですか、そんなんで。
真鍋:いいんだよ、人の気持は月日とともに変わるものだ。
じぇ:そんなものなんですね、私も気をつけよう。
TNC2024が決まってよかったよかった、久しぶりの本格的旅行イベント、嬉しいな。
おめでとう、TNC2024。
激動の4月だったが、なんとかイベントも決まり、ますますモチベーションもあがるクリムゾン真鍋。参加予定のチョモランマ桐とディンガ猫又は無事に集合場所に現れるのか。ドブ板通りでクリムゾン真鍋はなにを語るのか。TNC2024への多数の方のご参加、お待ちしています。