クリムゾン真鍋

第3回:プログラマーをどうする!

真鍋:ゲーム作ろうとするのはいいけど、プログラマーをどうしますか?

板垣:クリムゾン真鍋がやればいいんじゃないの。

真鍋:Unityのプログラムはそんなに難しくないと言われているから、まあできないことはないと思いますが…。で、ストーリーは誰が考えるんでしたっけ?

板垣:そりゃ、クリムゾン真鍋だろ、俺はストーリーを作る気はない、本業はゲームシステムのデザインだ。

真鍋:わかりました。これまでもストーリーはやってきたからなんとかなるでしょう。で、グラフィックはどうしますか、これはニンジャ板垣の担当ということでいいですか?

板垣:俺様にとってグラフィックはもっとも得意とするところだ、心配には及ばん。凄い助っ人を呼び寄せるつもりだから問題ない。

真鍋:なにか、具体的に手立ては考えてるんですか。問題先送りはいつか地獄をみますよ。

板垣:いいんだよ、その分ゲームシステムは凄いの考えるから、それ以外のパートはクリムゾン真鍋、よろしく!

真鍋:(むむむ、相変わらず強引な展開、予想していたとは言え、酔っぱらいと仕事をするとこうなるという典型的なケースだ。)

真鍋:まあ、仕方ありません、グラフィックは当面じぇーんに考えさせるとして、ストーリーは私がやるとして、プログラマーを探してくればこの件は一件落着ということで。

板垣:プログラマーを探すことについては、ひとつアイディアがあるんだが…。

真鍋:なんですか?知り合いの香港人に頼むとかですか?そりゃダメです。知り合いのロシア人もダメですよ、これは先に言っておきますが、THQの残党の人もダメです。

板垣:残念だが、今回はそうではない。実はインドの知り合いに、ダイバダッタと会話ができる人がいて、以前その知り合いを通じて人探しをしてもらったことがある。こういう話は、ダイバダッタに聞くのが一番だと思う。

真鍋:ダイバダッタって、虹色仮面みたいなのが、インドの山奥で修行しているときにその教えを理解したという、あのダイバダッタですよね。仕方がない、じゃあさっそくインドに行ってダイバダッタに聞いてみましょう。じぇーん、バンガロール行きのチケット取っといてね。

ダイバダッタとは、釈迦の弟子の一人である。実写ヒーロー番組、レインボーマンの主題歌に、「インドの山奥で修行して、ダイバダッタの魂宿し」という一節がある。「出典:近代芸無辞典より」

じぇ:わかりました、エア・インディアでとっておきます。よく墜落するそうですが、安いから仕方ないですね。

真鍋:そうと決まったら、さっそくインドにしゅっぱ~つ。

頑張れ、プレジデント真鍋、じゃなかった、クリムゾン真鍋、応援してるから。

あれ、ニンジャ板垣も一緒にいくんじゃないの?いつの間に私が一人で行く話になったんだろ。

板垣:一緒に行きたいのは山々だが、私は飛行機が嫌いだ。以前乗ったときにもひどい目にあったから、飛行機には乗らない主義だ。

いつの間にか、一人でインドの山にこもってダイバダッタに会うための修行をすることになったクリムゾン真鍋。果たして無事にバンガロールにたどり着けるのでしょうか。

次回に続く…

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第2回:作るのはドリームヂェネレーション2?

板垣:戦艦ニンジャクリムゾンが編成されたところで、なにを作るか検討しよう。

真鍋:やはり、ニンジャが三次元空間を縦横無尽に飛び回るアクションゲームでしょう。

正式名は「NINJA GAIDEN」、ニンジャ板垣がテクモ時代に作った忍者アクションゲーム、通称「ニンジャガ」。「デッド・オア・アライブ」と共にニンジャ板垣の代表作であり、ワールドワイドでミリオンセラーを達成した作品。
「出典:近代芸無辞典より」

板垣:それはもう散々やったから、しばらく作りたくない。それより太平洋艦隊とインド洋艦隊が宇宙空間で戦う、みたいなのを作りたい、とにかくキーワードはネイビーだ。

真鍋:じゃあ、日本の戦艦ものにしましょう。海軍の誇る長門とか赤城とか、それにニンジャ板垣の得意な巨乳女性キャラを割り当てて、萌えの要素も入れる。

板垣:それは艦コレですでにやってるからだめだ。だいたい艦コレは俺の宿敵が関わってるタイトルだから、全くそのジャンルには興味がない。

真鍋:それはそうですよね、じゃあ、競馬ゲームやりましょう。本当の馬が走るのではなく、馬に見立てた女の子が走るってのはどうですか?

板垣:それはウマ娘でやってるからだめだ。クリムゾン真鍋は最近のゲーム事情からだいぶ遅れてるようだが、大丈夫か。

真鍋:そりゃ、この五年くらい香港で旨い中華料理食って、プールでビールのんで昼間からのんびりしてたわけだから、世相から遅れるのも仕方ないと思うけど。

板垣:それじゃあ、相談するだけ無駄ってことで…。昔、クリムゾン真鍋が作った伝説のクソゲー、デスクリムゾンのリメイクをやると言うのはどうだ。グレたクソゲーを、男、板垣が更生させるというテーマだな。

正式名は「デスクリムゾン」、別名クソゲーの帝王、最下位帝王、デス様。クリムゾン真鍋が1996年に発売した、実質的な代表作。主役コンバット越前が語る「せっかくだから」「なんだぁ、この階段は」などの人気セリフを生み出した。
「出典:近代芸無辞典より」

真鍋:デスクリムゾンには関わりたくない。あれは20世紀最後の黒歴史だし、ここ最近はファミ通で殿堂入りするようなタイトルに関わってきたのに、また昔の黒歴史を引っ張り出すような行動はしたくない。ということでデスクリムゾンのリメイクはお断りします。

板垣:そんなにワガママばかり言ってたら作るものが無くなってしまうじゃないか。

真鍋:じゃあ、パズルゲーム作りましょう。宇宙初のパズルゲームみたいなの。私が以前作ったムサピィのチョコマーカー。あれは面白いと評判でしたが、初心者に厳しいルール設定で慣れる前に飽きられてしまう。それをニンジャ板垣の超能力で、面白さを維持したまま取っ付き難さを解決した素晴らしい作品に改造するって言うのはどうですか。

板垣:聞いてるだけで面倒な話だな、俺は面倒な話は嫌いだ。同じくチマチマしたものも性に合わん。もっとガーンと世界を震撼させる、戦艦が滝のように空から降ってきて、それを海の王者ポセイドンみたいな潜水艦がグオーグオーと撃退する。そんな男臭いゲームを作りたいものだ。

真鍋:コストを考えると無理じゃないですか。そんなの作ったら開発に10年、開発費も30億円はかかるはず、ぜ~ったい無理ですね。

板垣:だから酔っぱらいゲームなんだよ。酔っ払った戦艦と酔っ払った潜水艦、これが真っ向から勝負。ミサイル撃ち合うんじゃなく、どちらが酒に強いかを競う酔っぱらいゲーム。これなら戦艦の動きも適当でいいだろ、操縦者は酔っぱらいなんだから。

真鍋:飲酒シーンはリスクが高いうえに、特に酔っぱらいが戦艦を操船する時点でコンプライアンス違反です。飲酒運転はダメですよ。

板垣:そんだけダメダメ言ってたら作るものが無いぞ、一体どうするんだ。

真鍋:じゃあ昔、私が作った職業選択恋愛シミュレーションゲーム、これのリメイクやりましょう。目指す職業はゲームプロデューサーと、世界一の酔っぱらい、これを追加しましょう。あとは炎上系ユーチューバーも入れないと。とにかく、酔っ払いは車や船の運転をしなければ問題ないわけで。しかも、テキストベースの作品なので開発費もそんなにかからないでしょう。ついでに目指す職業として前回は没になったテロリスト、これも復活させましょう。酔っ払い型テロリストなんて設定はどうですか。

正式名は「ドリームジェネレーション」、エコールの100%子会社であるレインディアが開発し、メサイアから発売となった、実質的にエコール第3作目の作品。シナリオはクリムゾン真鍋とともに、シェンムーでシナリオを担当した山本優が作成した。音楽はソニック関係の作曲で有名な尾形雅史が全面的に制作を行った。
「出典:近代芸無辞典より」

板垣:じゃあ、登場人物を全員酔っ払いにするんなら、それでいいよ。町の中の人たちが全員酔っ払い。話しかけても、ピキピキ…としか言わない。これなら作るのも簡単だしな。

それいいですね、じゃあ戦艦ニンジャクリムゾンの初タイトルは、「ドリームヂェネレーション2 /酔っ払いの王国♡飲みすぎてなにが悪い!」こんな感じにしましょう。

それがいい。タイトルが決まったから祝杯をあげよう。さっそく酔っ払いに乾杯だ。

じぇ:かんぱーい!

こんな風に、酔っ払いの企画会議は進んでいきました。でも、酔っ払いたちは翌日になったらドリームヂェネレーション2を作る話もすっかり忘れてしまいました。

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第1回:すべての始まり

それは、ある夏の日である…

真鍋:ビールがうまい!プールサイドで飲むビールは格別だ。

ここは、香港のカオルーンエリア、ワンポアにある、日本からの駐在員がたくさん住んでいるというラグナベルデ。50階建ての高層タワーが40本以上建てられているコンドミニアム。真鍋は3年前からここラグナベルデを根城にしている。

真鍋:ワンポアは便利でいいな、またランチには詠藜園の四川担々麺を食べに行くか。それとも最近できた地下鉄で九龍城にいってタイ料理でも食うかな。

ファイティングクライマックスを作ったあと、ここ数年はゲーム制作もせず、毎日ぐだぐだの生活をしている真鍋である。一日の大半は、香港グルメを堪能し、昼間からプールでビールを飲む、堕落した生活を送っている。

ビロロ~ン、メッセージの着信音がする。

女性:マスター、スマホをお届けに来ました。先程からメッセージの着信してます。

真鍋:ありがとう、じぇーん。君はよく気がつくね、最高のメイドさんだ。

じぇ:それほどでもないです。では、私は部屋に戻ります。

じぇーんは、去年から、我が家でメイドをやっているが、どこで生まれ育ったかは謎に包まれている。数年間日本に留学していたとのことで、日本語も問題なく話せる。

真鍋:じぇーんは気が利いていいね、英語も上手いから世間話しているだけで英語の練習にもなるし…、で、誰からかな?メッセージは。

謎の人:せっかくだからゲーム作らないか?プールで寝てるばかりじゃ退屈するだろう。

真鍋:どうして私が、プールで寝てることをこの人は知っているんだ、怪しいやつ。とにかく、なんだかややこしそうな話だから、さっさとビールの続きを飲んで寝てしまおう。ということで、ブロック!!

ピロピロピロ

真鍋:今度は電話が…。よく見れば、発信相手は板垣さんじゃありませんか。

板垣:酔っ払いゲームを作りたい、酔っ払いが出てきてバンバン酔っ払いを倒すゲームだ。いいの思いついたので、ぜひ一緒に作りたい。

あわてて電話を保留にする真鍋。ふと見ると、部屋に帰ったはずのじぇーんがそばに立っている。

じぇ:マスター、その人って危ない人ですか?たしか有名な人でしたよね。エロっぽいバレーのゲームとか作ってるという…。

正式名は「DEAD OR ALIVE XTREME BEACH VOLLEYBALL」、別名エロバレー。2003年に発売されたビーチバレーを題材としたスポーツゲーム。露出の高い女性キャラと水着が人気となった、板垣伴信を語る上で外せない代表作のひとつ。「出典:近代芸無辞典より」

真鍋:まあ、そんな感じだ、本人は全くエロっぽくないんだが、作るものがエロっぽい、そんな人ね。

じぇ:で、どうするんですか、マスター?日本に帰ってゲーム作るんですか。

真鍋:しばらく考えてみよう、いずれにせよ、日本に帰るとしたらじぇーんも一緒に来るように。確か君は日本の永住権持ってたから問題ないよな。

じぇ:わかりました、お供します。

真鍋:そうと決まれば、保留解除。もしもし、ゲーム作りの件、考えときます、板垣さん。

板垣:では、早速打ち合わせだ。増上寺のカフェで待ってるぜ。では…

突然かかってきた電話は、突然切れた。

真鍋:相変わらず、強引な人だ。知り合ってからだいぶ立つが、何も変わってない…、まあ、よくわからない話だけど、せっかくだからいってみるか、増上寺。

ということで、真鍋は香港から東京、増上寺に飛ぶ。

真鍋:で、話というのは何でしょうか?

板垣:せっかくだから、一緒にゲーム作ろう。酔っ払いが酔っ払いを倒すゲーム。なかなか面白そうだし。

真鍋:(冗談かと思っていたが本気で酔っ払いゲーム考えてたんだ、大丈夫かな、この人…)

板垣:敵がゾンビとか、秘密組織の戦闘員とかもう古い。21世紀にふさわしい敵は、「酔っ払い」これだ。

板垣:一緒に凄いの作ろうと思う!凄すぎてなにが悪いって感じのゲームだ。

「凄すぎて何が悪い」とはNINJA GAIDENで板垣が使ったキャッチコピーである。当時の板垣の制作における考え方を如実に表すコピーとして広く知られている。「出典:近代芸無辞典より」

真鍋:(組む相手間違えてるんじゃないか、うちは別の意味で凄すぎるエコールだぞ、って思うけど)

真鍋:わかりました。では酔っ払いゲームを作りましょう。それも凄いの作りましょう。で、敵は決まったけど、ゲームシステムはどうしますか?

おまたせしました、ご注文の品をお届けに来ました。

板垣:はい、ありがとう。

真鍋:なんですか、このたくさんのグラスは…

板垣:これはハイボールだ。最近人気のウイスキーのハイボール、濃い目だ、軟弱な酔っ払いは必要ないし。

真鍋:しかし、すこし多すぎるのでは?

板垣:これでもまだ、大したことはない。これくらいで音を上げる酔っぱらいは真の酔っぱらいとは言えない。軟弱なやつは道をあけろ。

真鍋:要するに酔っ払いゲームというのは、酔っ払いの敵を倒すのではなく、酔っ払いが作るゲームってことなんですね。

板垣:そういうことだ、これからは酔っ払いの時代だ。酔っ払いの、酔っ払いによる、酔っ払いのためのゲーム、それが今時代に求められているのだ。わかるかな?もう、ゾンビとか撃っても当たりまえ過ぎて、誰も感動しない。しかし、酔っ払いが作った、酔っ払いが、酔っ払いを撃つゲーム、登場人物は制作者も含めてすべて酔っ払い!これこそ、今、時代に求められているゲームだ。スマホゲームでちまちまパズルゲームをやるなんて、もう古い。

真鍋:わかりました、全然わかってませんけど、とにかくわかりました。板垣さんは酔っ払いゲームを作りたい、ということはわかりました。

板垣:その通りだ。それが理解できればそれだけで十分だ。

真鍋:それはそうと、我々の名前を決めなければいけませんね。もう板垣さんはテクモの社員でもヴァルハラの社員でもないわけですから。ということで、板垣さんは今後、ニンジャ板垣にしましょう。私は、巷ではプレジデント真鍋と呼ばれているようですが、自分でそう名乗ったことはありません。今後はクリムゾン真鍋で行きます。

了解、ニンジャ板垣とクリムゾン真鍋、酔っ払い二人でゲームを作ろう、それも凄いの。

酔っ払いの、酔っ払いによる、酔っ払いのためのゲームにさっそく乾杯!

こうして、増上寺のファミレスで、たくさんのハイボールグラスに囲まれながら、ニンジャクリムゾンチームが結成されたのでありました。

凄いゲームを作ると誓いを立てた、ニンジャ板垣とクリムゾン真鍋。東京タワーも暖かく見守っています。

次回に続く。

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第7回:ヤツは鉄砲坂にいた!!!

真鍋:来ましたよ、鉄砲坂。広尾の駅から歩いて5分、あたりには大使館がたくさんあるし、高そうな外車ショップも列をなしてますね。

板垣:確かに、たくさんの警察官があちこちに立っている異様な雰囲気だな。

真鍋:日本でも最も路線価が高い、特別なエリアみたいですね。

板垣:で、なんで桐太郎とやらは、待ち合わせ場所に選んだんだろ、もしかするとどこかの大使館関係者なのか。

真鍋:西麻布の異様な雰囲気に飲まれていて、いまはそれどころではありません。

板垣:おや、坂の途中辺りに白い服を着た、変な男が立っているぞ、なんだか怪しいやつ

真鍋:白い服といえばこの世界では佐藤、撃ってはいけないキャラですね。関わると面倒なので遠回して迂回しましょう。

板垣:あれを見てみろ、クリムゾン真鍋。あの白服男、よくみれば柔道着を着ているぞ。しかも上から下まで白い柔道着。撃てばオーノーとか言うかもしれないな。

そう言いながら、指を銃の形にして、柔道着の男を撃つ真似をする板垣、そして、ゆっくり引き金を引くと…

オーノー。

板垣:確かにオーノーと言ったよな、やはりあれが桐太郎か?

真鍋:いま、オーノーと言ったのはじぇーんです。ちょうどアイスを買いに行ってもらってたのですが、スプーンをもらい忘れたみたいで…。

じぇ:坂の上のファミマに行ってアイスを買ってきました。私服の中学生と高校生がたくさん店を占拠してアイスがほとんど売り切れでした。

板垣:状況はわかるが、このタイミングでオーノーというのはやめてくれ。紛らわし過ぎで判断を誤る。

じぇ:すみません、板垣首領様。

板垣:首領もやめてくれ、俺を呼ぶときはニンジャマスターと呼べ。

じぇ:わかりました、ニンジャマスター。

真鍋:あれ、柔道着の男がスクワットを始めましたよ、この光景はいつか見たことある光景、あれは1998年の頃、映像スタジオで素材の収録を行ったときだったかな。

じぇ:大丈夫ですか、マスター。それってマスターが昔話ししてくれた、せがた三四郎の収録のことですね。

真鍋:そうだ、あれは暑い日だった。神谷町のスタジオで、当時人気絶好調だったせがた三四郎のゲームを作るときにたくさん写真を撮りに来たんだが、そのときせがた三四郎を演じていた役者の人が、休憩時間にもずっとスクワットをして体を鍛えていたことに当時はすごく感動したものだ。

板垣:せがた三四郎のゲームはクリムゾン真鍋が作ったのか?それは初耳だ。

真鍋:その件は、またいつか話するとして…。どうやらあの白い柔道着の男が桐太郎という可能性が高くなった、さっそくだから声をかけてみよう。

おーい、桐太郎と三人が同時に声をかけると…

桐太:これは、これは、クリムゾン真鍋さんとニンジャ板垣さん、それにメイドのじぇーんさんも一緒ですね。私が加納桐太郎です。どぞよろしく。

じぇ:あれ、君って桐…?なんか見たことあると思った。なんで、こんなところで柔道着を着て運動してるの?

桐太:先週、偶然に家でネット見てたら、ニンクリ物語ってのが始まって、そこでクリムゾン真鍋とニンジャ板垣がじぇーんと一緒に楽しそうに悪い計画を立てているページを見たわけね、確かプログラマーはどうするってサブタイトルだったっけ。

じぇ:そうなんだね、で桐太郎がなんでここに?

桐太:面白そうだったからせっかくだから、メールを送ってみたって話ね。で、もしかしたら来るかなと思ってここで待ってたわけ。

真鍋:なんで、そんな面倒なことするんだ、ぶつぶつ、もっと手っ取り早く進める方法があっただろ、私は面倒なことが大嫌いなんだ、もっと単刀直入にやれよ、この野郎。

板垣:クリムゾン真鍋、なんか今日は機嫌が悪いな、なにをそんなに怒っているんだ。で、桐太郎、いや、桐太郎くんと言ったほうがいいな。君はゲームのプログラムができるのか?

真鍋:そんなん、できるの当たり前だろ、ぶつぶつ。

板垣:ちょっと、クリムゾン真鍋は黙っててくれるか…なんで機嫌が悪いのかわからんが、いまはこの、桐太郎くんと話しをしているんだ。

桐太:プログラムは得意ですよ、父の影響で小学生の頃からプログラムやったりゲームのテストプレイヤーやったりしていたので。メイン言語はユニティを使ったC#での開発。コンポーネントを組み上げるだけでなく、スクリプト言語を使った開発も得意です。ぜひメンバーに参加したいと思うのでよろしく。

真鍋:まだ、そんなこといってる、いい加減にしろ、ぶつぶつ。

板垣:話が聞けてよかった、前向きに検討しよう。で、質問だがなぜ、今日の待ち合わせ場所に鉄砲坂を選んだんだ、ニンクリ物語を読んでいるなら、俺たちのミーティング場所は増上寺、東京タワーの下ってわかっているはずだが

桐太:いちおう、まだ中学生なんで、今は学校が昼休み、学校の近くの方が待ち合わせに都合が良かったからかな。おや、そろそろ昼休みが終わる、ぼくは学校に戻ります。結果はメールで連絡してください、ではぼくはここで失礼します。

ガチャガチャガチャ、凄まじい音をさせながら、桐太郎がファミリーマートの方面に戻っていく。

板垣:桐太郎、なかなか好青年じゃないか。まだ中学生なのかな、初々しい感じがいいな。

じぇ:なんか、にぎやかですねっていうか、騒々しい。あれって桐太郎君の足元から音がしている。いったい何なんでしょうね。

板垣:あれは鉄下駄って言って、柔道家が己の力を鍛錬するときに使う特別なトレーニング用具だ。最近は見なくなったけどな。

じぇ:騒音で近所迷惑ですね。ちょっとついていって様子を見てきます。

板垣:俺も行くよ、早く行かないと見失うかもしれない。

じぇーんとニンジャ板垣が桐太郎を追いかけて進むとそこには校門が。

門には「麻布中学校・麻布高等学校」って看板がある。左には高等学校の表札、右には中学校の表札があるが、門自体は共通らしい。

板垣:麻布学園、なんか噂に聞いたことあるぞ、どうやら、桐太郎はここの学生なわけだな。

じぇ:ニンジャマスター、桐太郎がいま、校門の前で鉄下駄を脱ぎましたよ、鉄下駄を手に持って入っていきました。あれはなんの儀式なんでしょうか。

板垣:おおおお、以前聞いたことがある。麻布高校には三禁というのがあって、これだけは絶対にやっていは行けない行為、それをまとめたものが麻布三禁。その中には、鉄下駄を履いて構内に入らないというのがあったと思う。

麻布三禁とは、自由な校風の麻布学園の中においても、絶対にやっては行けない禁止事項を3つだけまとめたものである。それは、「校内での麻雀禁止」・「授業中の出前禁止」・「校内を鉄下駄で歩くことの禁止」である。それ以外の行為は生徒の自主判断にまかせるという校風である。「出典:近代芸無辞典より」

じぇ:そんな規則があるんですね。厳しい学校。鉄下駄は手に持って入ったから、麻布三禁にはあたらないですね。

板垣:まあ、桐太郎が、ウメハラや、トキドを排出した学校の学生なら、ゲームのプログラムくらいできるだろ。クリムゾン真鍋はどう思う。

真鍋:そりゃそうでしょう、そんなのできるに決まってる、しかし、この安易な展開、全くもって不愉快、そう思いませんか、ニンジャ板垣。これなら、わざわざバンガロールとか恐山とか行く必要なかったわけだし…。だいたいじぇーんも白々しい。そこまで空気読まなくてもいいと思うんだが。

じぇ:すみません、マスター。

板垣:どうして、クリムゾン真鍋はそんなに機嫌が悪いんだ、日ごろ温厚なクリムゾン真鍋らしくないぞ。

真鍋:そりゃそうでしょう、桐太郎ってやつ、あれは私の息子です。私が4歳の頃からゲーム制作の基礎を教えてきたんだから、プログラムくらいできて当たり前です。

板垣:えええええ、そうなんだ、それでクリムゾン真鍋がこんなに機嫌が悪かったんだな。

桐太:お父さん、お父さん、お父さん…。

板垣:おお、桐太郎くんか、なんの用事だ、ちょうど、君を仲間にいれる相談をしていたところだ。で、クリムゾン真鍋、桐太郎を仲間にいれるってことでいいよな。

まあ、この酔っ払いが集う、暗黒プロジェクトに家族を巻き込むのは不本意ですが、プログラマーがいないのも事実だし、専務のお告げもあるし、まあ仕方ないですね。

家族思いのクリムゾン真鍋ならではの悩みだな、まあ、俺たち4人で力を合わせて、凄いゲームを作ろう。よろしく頼むぞ、桐太郎くん!

真鍋:一つだけ、条件がある。桐太郎が名乗っていた、加納桐太郎という名前、いまのお前には重すぎる。お前はまだただの白帯、柔道界で名誉ある加納の名前を名乗るには小物すぎる。加納桐太郎を名乗るのは、黒帯を取ってからにしろ。

嘉納治五郎は講道館を作った偉大なる柔道家である。「出典:近代芸無辞典より」

桐太:せっかくいい名前を思いついたのに、ぶつぶつ、じゃあ、白帯の間のぼくの名前、ニンジャ板垣さんが考えてください。ぼくは、ずっとニンジャ板垣のつくったゲームをプレイしてきました、大ファンです。ニンジャ板垣がつくったゲームはすべてクリアしています。ぼくの名前は、ニンジャ板垣さんがつけるべきです、ゴッドファーザー板垣さん。

板垣:わかった、桐太郎、喜んでゴッドファーザーになろう。お前に新しい名前を授ける。お前の名前は…、「チョモランマ桐太郎」どうだ、素晴らしい名前だろう、世界で一番高い山の名前だ。

桐太:わかりました、では、これからは、チョモランマ桐太郎でいきます。

じぇ:よかったね、チョモくん。

桐太:その呼び方、嫌だな。なんか頭悪そうな語感が…。

真鍋:だまれ、チョモ。せっかくニンジャ板垣がつけてくれた名前、ありがたく感謝しろ、我が息子よ、今日からお前のことはチョモと呼ぼう。

諦めたのか、急に機嫌が直ったクリムゾン真鍋。じぇーんも桐太郎を知らないフリしなくて良くなってホッとしている気配が伝わってくる。

板垣:ついにプログラマーが見つかった、グラフィックは美術大学出身のじぇーん、よろしく頼むよ。シナリオ、ゲームシステム、グラフィック、そしてプログラム。ひととおり、揃ったわけだ。

こうして、新しくプログラマーを迎え、めでたく、ニンジャクリムゾンチームが4人のメンバーをそろえ、完成したのでありました。

次回に続く。

第7回:ヤツは鉄砲坂にいた!!! Read More »