第40回:ヨハネスブルクからの帰還

ここ半年以上もニンクリ物語の更新がなくいつものように面倒になって逃亡したか、パチンコで勝ち続けてゲーム制作どころでなくなったか、それともハンター竜田の消息を探し回って世界中飛び回っているのか、ついにクルムシ軍曹が重い腰を上げて行方不明のクリムゾン真鍋を探して調査に向かう。

クル:看板があるし、ここがエコール社の藤沢ラボなのは間違いない、こんにちは、クリムゾン真鍋、いますか。

・・・・

クル:何も返事がない、本当に留守なのか、ただの居留守なのか判別しないといけない。そうだ、例の作戦でいこう。

クル:トントントン、宅急便の配達です、ふるさと納税でご注文のお米10キロお持ちしました。お留守ですか、留守なら私がいただきますが。

じぇ:お米ですか、お疲れ様です。そこに置いといてもらえますか。

クル:ああ、あなたはじぇーんさんではありませんか、噂には聞いていましたがお元気そうで何よりです。

じぇ:あれ、お米はどこでしょう、最近お米が去年の3倍くらいの値段になったのでパンばかり食べてます。

クル:残念ですが、宅急便の配達というのは嘘です、そう言わないとクリムゾン真鍋が釣れないかと思って、でも代わりにじぇーんさんが釣れてよかった。で、クリムゾン真鍋はいますか。

じぇ:マスターは、F1中継見ながらぼーっとしてます。角田選手の成績が芳しくないせいか、やる気が全くない感じです。マスター、クルムシさんが来られましたがどうしますか。

のそのそと、起きだして玄関に現れるクリムゾン真鍋。

クル:なんだ、いらっしゃるんですね、クリムゾン真鍋。てっきりゲーム制作に行き詰ってヨハネスブルクに逃亡したのかと思いました。

真鍋:ヨハネスブルクに逃亡したのはチョモランマだ、なんでも去年の10月あたりに、近いうちに鉄緑会のクリスマス模試があって、すごく大事な試験だからしばらく旅にでるといってそれっきりだ。

クル:ええ、それじゃあゲーム制作はどうするんですか、プログラマーがいないと進めないじゃないですか。

真鍋:ゲーム制作においてプログラマーがいなくなることは日常茶飯事、特に珍しいことではない。

クル:とはいっても、プログラマーなしではゲーム制作は続けられないし、またいつものようにこのプロジェクトは頓挫して、ニンクリ物語は今回で最終回ですか。

これまで何回も見てきた光景に、特に驚くこともなく淡々と話を進めるクルムシ軍曹。

真鍋:チョモランマがいない間、私がプログラマーの代行をやることにする。

クル:ええ、そんなの可能なんですか。確かにクリムゾン真鍋がダイナウェア時代にはプログラマーをやっていたという話は聞いたことがありますが、実際何十年も現場から離れていて急にC#とユニティのプログラムができるとは思えません。

真鍋:まあ、そういう考え方もあるが、人間頑張ればなんとかなるもんだ、それに今回作品の骨格部分はチョモランマが作っていったから、これを改造するだけならなんとかなる、プログラムは吾輩のもっとも得意とするジャンルだ。

クル:ナベツネが訴訟を食らったときに言ったセリフのパクリですね。要するにクリムゾン真鍋がプログラムを兼任で作業を進めるということでしょうか。

真鍋:厳密にいうと、兼任ではない、専任だ。プログラムは片手間にできるほど甘いテーマではない。

クル:プログラム専任なら、企画や広報は誰がやるんですか、もしかしてじぇーんがやるとか。

じぇ:私はメイドだから、企画も広報もやりません。主に料理と洗濯と掃除が仕事なので…

クル:ますます訳がわかりません、プロジェクト頓挫ならさっさと宣言してしまったほうがいいのでは。

真鍋:それは困る、結構困る、なぜならゲーマー鹿山とかハンター竜田がこのプロジェクトに関連して異世界に行ってしまった。このプロジェクトが頓挫すると彼らと二度と会えなくなる。それは大変困る。

クル:すっかり忘れてました、僕が見つけてきた大船のカフェで行方不明になったのがゲーマー鹿山、沖縄の灯台で消えたのがハンター竜田でしたね。大船のカフェだと僕も状況次第では異世界に飛ばされることもあっただろうし、気になります、ふたりがどうなったのか。

真鍋:まあ、二人とも極めて要領がいいし、行動力も体力もあるから、たぶん異世界でも頑張っているだろう、もしかしたら異世界の王様とかになって、綺麗なお姉さんたちにかこまれてウホウホ言ってるかもしれないな。

クル:そうかもしれませんが、逆に二人とも鹿とかカバとかにされて、牧場で囲い込まれて、すでにステーキとかになっているかもしれませんね。

真鍋:まあ、たぶん大丈夫だろう、そんな事情で私がプログラマーを専任でやることになったので、ニンクリ物語がこうやって半年以上も停滞することになったわけだ、わかったか。

じぇ:ニンクリ物語については、私がメイドの日常を散文形式で更新しようと提案したのですが却下されました。

真鍋:一応ゲーム制作の流れを皆さんにお伝えするために書いているブログなんで、アイロンのかけ方とかレクチャーされてもみんなが困る。

クル:で、ずっと、この体制で制作を進めるんですか。

真鍋:よいところに気が付いたね、クルムシ軍曹。実は、今回のゲームについて、この半年間徹底的にプログラムをブラッシュアップしてきたのでプログラムの作業はもうそんなに残っていないんだ、そろそろ素材を集めて組み込む段階にきているので、専業プログラマーはこれで終了、これからは兼業プログラマーとして行動する。

ぴろぴろぴーん

じぇ:おや、誰かからメールが届いたみたいです。

真鍋:どれどれ、誰からだろう、おや、これは行方不明のチョモランマからじゃないか、なんだろう。

チョモ:お久しぶりです、お元気ですか、僕は元気です。

真鍋:なんか、定番の頭悪そうなメールの始まりだな、で、続きはと…。

チョモ:で、ヨハネスブルクに行っていたというのは嘘で、本当は自由が丘でこもって勉強していました。ついでに例のものもゲットしました。

真鍋:例のものって何だろう…、文明堂のカステラ三本とかかな。どれどれ、添付ファイルに写真がある。

チョモ:ということで、晴れて柔道部で黒帯をとることができました。凄いだろ。

真鍋:確かに黒帯とは様になるな、柔道やってていつまでも白帯では恥ずかしい限りだ。しかし、黒帯になったらチョモランマの名前どうするんだろう。

チョモ:それから黒帯とったらチョモランマ桐から加納桐太郎に名前を変えるという話ですが、チョモランマ桐の名前、結構気に入っているのでこのまま名前は変えないことにします。

真鍋:そうか、それがいい、せっかく覚えてもらった名前をむやみに変更するのはいかんな。

チョモ:ということで、近いうちに会いに行きます。クリムゾン真鍋が俺の美しいプログラムを汚くしたんじゃないかと心配なので、チェックしないといけません。

真鍋:なんと、生意気な、私のほうが綺麗なプログラムを書いてるぞ。

クル:まあ、せっかくチョモ君がヨハネスブルクから帰ってきたことですし、ここは言いたいことはこらえて大人の対応ということでいきましょう。

じぇ:賛成~です。それはそうと、せっかくだから何か言いたいことがあったんじゃないですか。

真鍋:そういえば忘れていた、エコール恒例のクリムゾン真鍋主催の年に一回のイベントを今年も実施することにした。

じぇ:前回の猿島からもう1年たったんですね。

真鍋:集え、傭兵ども。ニンクリの旗の元に。

真鍋:そうそう、今回は長くて白いもの探索に行く。まずは、東京湾観音を見学する。そのあとは、東京湾フェリーに乗って久里浜経由で大船観音を見学だ。

東京湾観音とは、木更津にある巨大な観音像である、ニンクリ物語における「白くて長いもの」に該当するオブジェである。「出典:近代芸無辞典より」

じぇ:観音ツアーですね、最近は日本中の観音様が老朽化で取り壊しになっているとのことで、無くなる前に早めに行ったほうがいいですよね。

真鍋:ハンター竜田の例もあるし、白くて長いものからジャンプすると、異世界に行ってしまうかもしれない。今回イベント参加の数名が、異世界に行った時のことを考えて、最後の大船での宴会は人数を3人ほど少なめに予約しないといけないな。

それはそうですね、2人くらい異世界に行ってしまうと思います。

そうと決まったら、来週には正式に告知だ、7月5日土曜日、朝10時に木更津のガスト木更津中央店に集合だ。

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自分で言い出したイベントの予定が近づいて切羽詰まってニンクリ物語を更新するクリムゾン真鍋。プロジェクトはまともに進んでいるのか、不安は募るばかり。