異世界のカルボニアに旅立ったと思ったハンター竜田、しかし竜田からの手紙ではカルボニアに旅立ったのはクリムゾン真鍋とのこと、偶然ハンター竜田もクリムゾン真鍋と同様にお遍路の旅に出ようとしているとのこと、二人におきた矛盾を心に秘めながら、四国のお遍路の旅へと続いていく。
真鍋:ついたよ、四国、瀬戸大橋を渡って丸亀到着だ。
じぇ:新幹線とバスを乗り継いで結構遠かったですね、飛行機でくれば早いと思うんですが。
真鍋:昔は宇野と高松の間は宇高連絡船というフェリーで4時間かけて移動していた、それが瀬戸大橋ができてたった1時間で移動できるようになった。あの感動をもう一度味わいたいわけだ。

じぇ:思い出深いですね。
真鍋:なんでも吾輩の親戚のおじさんが、宇高連絡船の船長をやっていたらしい、国鉄の中でもなかなか船長にはなれなかったらしい。もう半世紀以上前の話だが。
じぇ:宇高連絡船て、ずいぶん昔の話ですね。私はまだ生まれてません。そうれはそうと、お昼ご飯はどうしますか。
真鍋:せっかく香川県に来たんだから讃岐うどんだろう、丸亀なんだから丸亀製麺でいいのでは…。ではどこに丸亀製麺があるか調べてくれ。
じぇ:了解です、マスター、で調べた結果ですが、丸亀には丸亀製麺はありません。それどころか、香川県には丸亀製麺が高松に一つあるだけで他の県に比べて異常に少ないです、なぜでしょう。

真鍋:それはあれだな、ディープな讃岐うどんの信奉者が、丸亀製麺は丸亀と関係ないのに勝手に丸亀を名乗るな、そもそも讃岐うどんを名乗るな、名乗るなら香川うどんとかもちもちうどんとか、違う名前にしろって言っていたのを聞いたことがある。
じぇ:そうなんですね、讃岐うどんに詳しい人は丸亀製麺のどこが不満なんでしょうか。
真鍋:讃岐うどんは足で踏んでこねるべしとか、粘りが足りないとか多すぎるとか、わかめ入れるのは邪道だろうとか…、いろいろと思うところがあるんじゃないか。
じぇ:ガンダムおたくの人でも、どのバージョンのガンダムが正しくてそれ以外は邪道とかあるみたいですから、皆さんそれぞれ好きなものとこだわりがあるんですね。
真鍋:まあそういうことだよ、じぇーんくん。
じぇ:ハンターからの手紙を見ると、端っこのほうに二次元バーコードが入っていて、そこをタップするとどうやらハンターの旅日記が現れるみたいです。
真鍋:ほほう、そんな便利な機能があるのか、ではすぐハンターの消息は見つかりそうだな。
じぇ:それによると、ハンターは丸亀ではなく高松駅の近くのチーズ入りニューウェーブうどんの店にいるみたいですね。
真鍋:そこまでわかればハンターはすぐ見つかるだろう、丸亀で丸亀製麺がたべられないとわかったら、高松でチーズ入りうどんを食べることにしよう。
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真鍋:やっとついたぞ、チーズ入りうどん、おやまあ、なんとたくさんの行列が…。50人は並んでいる感じだが。
じぇ:割と回転ははやいので、30分くらいで順番が回ってきそうです。
真鍋:それなら、並ぶのも仕方がないな。ハンターはこの中にいるのか。
じぇ:ハンターはブログによるとあと5人で店に入れる位置で並んでいるそうです。
真鍋:ハンターは確か飯を食うのは遅かったはず、店内で声をかければ大丈夫だろう。
じぇ:そうですね、私も熱いもの食べるのには時間がかかります、ゆっくりと食べながらハンターを探しましょう。
真鍋:それはそうと、この炎天下に30分待つなら、アイスを食べながら待ちたいものだ、この先のコンビニでアイスを買ってくるから、じぇーんはこのまま列に並んでいてくれ。
じぇ:イエッサー、待っておきます。
列を離れてアイスを買ってうどん屋に戻ろうとするクリムゾン真鍋。
真鍋:じぇーん、アイスを買ってきたぞ、これで30分並ぶのも平気だな。ということで列に戻るとするか。

謎の人:そこの人、割り込みはダメアル、私ずっとここで並んでるアル、一度列を離れたら列の最後から並びなおすのが常識アル。
真鍋:なんだ、外国の人だな、いいんだよ、日本ではだれか代表で並んでいたら、そこに知り合いが入るのは問題ない。
謎の人:だめある、そんな常識通用しないアル、それなら、私は親戚とか呼んで100人くらいこの場所に割り込ませる、あなたそれでいいアルか。
真鍋:それは困るアル、私のせいで後ろの人が迷惑をこうむるのは困るアル。
謎の人:わかればいいアル、最後に並びなおすアル。
じぇ:アイス作戦はうまくいきませんでしたね。
真鍋:そうだな、予定外のハプニングがあって、計算通りにいかないものだ、まあここで揉めるのも大人げない、列の後ろに並びなおすか。
じぇ:列を離れてみたものの、なんか行列がさらに長くなって100人くらい並んでますね。

真鍋:これは困ったな、これだと我々が店に入った時点で、食べるのが遅いハンター竜田もさすがに店を出てしまっているだろう、これだと、ハンター捕獲作戦が失敗してしまう。
じぇ:困りましたね、じゃあ今回はハンター捕獲はあきらめて、チーズうどん食べて帰りましょう。

うどんを食べ終わって店をでるクリムゾン真鍋とじぇーん。
真鍋:ハンターの捕獲には失敗したが、うどんはうまかった。結果として満足だな。
じぇ:そうですね、ハンターはまた次の場所で見つければいいでしょう。
真鍋:で、ハンターはどこにいる。高松駅前の丸亀製麺でうどん食ってたりしないよな。
じぇ:ブログによるとどうやら、84番の札所に向かっているみたいです。すぐに84番の札所に向かっていけば会えそうな気がします。
真鍋:その作戦は感心しないな。移動中にハンターが84番から85番に移動してしまえば、いつも後手に回ることになる。
じぇ:それもそうですね、どうしましょう。
真鍋:我々はまず、85番に向かう、そしてそこをお参りした後、84番に向かえばどこかですれ違うはずだ、その作戦で問題なし。
じぇ:さすがマスター、頭いいですね、うまく行けばいいんですけど…。
真鍋:吾輩の計画は完璧だ、これでハンター捕獲作戦成功は間違いなし。うどんやで待ち伏せて行列に阻まれるよりはるかに建設的だ。
85番にむかう、クリムゾン真鍋とじぇーん。
真鍋:85番の札所についたぞ、では、さっそく用意してきた御朱印帳を開いて御朱印をもらうことにしよう。
じぇ:準備がいいですね、讃岐うどんの店で買ったのですか、その御朱印帳。
真鍋:いや、アマゾンで買った。ついでに、すべて八十八か所のすべての印が押されたコンプリート済の御朱印帳を買おうかと思ったが、さすがにばちが当たりそうなので自粛した。
じぇ:こういう部分は常識があるんですね。
真鍋:そうなんだ、で早速だが御朱印を記帳してくれる記帳場を探そう、どこだろう。
じぇ:こちらに標識があります、こちらです。
謎の老婆:そっちは違うぞよ、御朱印を書くのはそっちの井戸のあたりぞよ。
じぇ:なんだか、微妙に言ってくことがわからないんですが、マスターはわかりますか。
真鍋:そりゃ、じぇーんがのふぞなけんよ、つばえてぎりおったからわからんのぞよ。
じぇ:ますますわからないです、それはいったいどこの言葉ですか。
真鍋:これは、吾輩が生まれた松山の言葉、いわゆる伊予弁というものだ、讃岐の国と伊予の国は隣同士だからなんとなく伝わるものぞよ。
謎の老婆:ほうじゃほうじゃ、そこのお嬢さん、そっちにいったら牛鬼に食われてしまうぞよ、行かんほうがええぞよ。
じぇ:じゃあ、行きません、おばあさんのいう通りに井戸のほうに行けばいいんですね。
真鍋:あれ、突然いなくなったぞ、さっきの老婆は…。牛鬼とか言ってたけどいったいなんじゃろ。
じぇ:ほうじゃほうじゃ、どこ行ったんぞよ、おばあさんは。
真鍋:もう伊予弁はいいよ、それより井戸に向かってもう5分も歩いているけどまったく気配がないぞ、やっぱり戻って標識通りに行こう。
じぇ:そうですね、境内が改装中で迷いやすいですね、ということで原点復帰。
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真鍋:ずいぶんと時間が経ってしまったな、やっと手に入れたぞ、御朱印帳。

じぇ:ずいぶんと立派な絵ですね、これをお遍路参拝者の前で毎回手書きで描くなんて素晴らしい。
真鍋:それもそうだ、では、85番も制覇したから、84番に向かうとしよう。
じぇ:そうですね、遅れ気味ですからさっさと移動しましょう。
タクシーで移動しながら、すれ違う予定のハンター竜田を探すクリムゾン真鍋。
じぇ:なかなかハンターとすれ違いませんね、計算ではそろそろこの辺りを歩いているはずなんですが。
真鍋:微妙に予定が順調に進まないな。なぜだろう。
タクシーの人:お客さん、84番は入り口から記帳場までが近いからすぐ参拝が終わるみたいですよ、逆に85番は迷う人が続出らしいです。
真鍋:なんじゃそら、ということは、予定より早くハンターは移動した可能性があるな。
じぇ:おおっと、マスターこれ見てください。どうやら、ハンターはすでに85番で記帳を済ませた後、86番に向かっているようです。
真鍋:なんとまあ、またすれ違いか。前回のうどん屋でのすれ違いは吾輩の失態として、今回のすれ違いは謎の老婆に関わったじぇーんの失態として、2回も続くとこれはこれでなにか必然を感じるな。
じぇ:そうですね、このままのパターンでは永遠にハンターに会えないかもしれません。
真鍋:わかった、ここは作戦を変えよう。じぇーんは一度、F-LABOに戻って、代わりにクルムシ軍曹に来てもらおう。クルムシ軍曹は芦屋在住だからバスで4時間で来るだろう。
了解です、では私は高松空港から戻ることにします。
しかし、不思議なこともあるものだ、このすれ違いは偶然なのか、必然なのか、
ハンターとのすれ違いに、大きな謎を感じるクリムゾン真鍋。新たに参加するクルムシ軍曹はこの苦境を解決するのに役に立つのか…。